江の島 Lovers vol.31
DUKE金子さん
待ち合わせはまだ4月になったばかりの肌寒い朝だった。Tシャツ、短パンにビーサン姿で颯爽と登場。 よく灼けた肌がアウトリガーカヌー歴25年、海辺の生活が長いことを物語っている。 それにしても何をどこから見ても絵になる人だ。
1963年長崎で生まれたデュークさんは幼い頃から海に親しみ、若い頃には経営者として大成功、アメリカに渡った。 紆余曲折を経て、日本に帰国した際に、ハワイからホクレア号が来日。『運命を感じた』という彼はクルーとして乗ることになった。 そのことをきっかけに、海を渡る、ということを自分の感動とか達成感のためにやるのではなく、何かメッセージを伝えたいと思うようになったそうだ。
今年、葉山から小笠原、ミクロネシア、ポリネシアを経由してハワイまで、一人で漕いでゆく計画をしている。 ミクロネシア、ポリネシアはご存知のとおり、先の大戦で激戦区だったところだ。 戦没者や、ハワイへ渡り帰国が叶わなかった日系人の魂をのせ、力を借りて漕ぐのだという。 手漕ぎにこだわる理由もそこにあり、魂を乗せられるのはカヌーだけ、といういわれがあるからなのだ。
地球、自然とつながる「現代社会はあまりに便利なものにコントロールされ過ぎている。自分で自然を感じて生きることの大切さを伝えたい。経済大国といわれるが、魂=spiritの誇りが今は欠けている。本当の幸せとは何か。昔の人のspiritを子供たちに伝えていきたい。」 そう語ってくれた。
インタビュー2011年